ライティングを通した文法学習の分散学習の効果International Journal of Applied Linguisticsに論文が掲載されました。

本研究では、ライティングタスクを通した第二言語(L2)文法練習の最適な間隔について調査をしました。54名のL2学習者を対象に、数週間にわたる3回の学習セッションにおいて、明示的な文法説明を伴った、筆記による産出ベースのディクトグロス課題を通して、仮定法の練習を行いました。L2学習者は学習間隔によって以下の2つのグループに分けました。

・7日間隔(1日目、8日目、15日目)
・3.5日間隔(1日目、4日目、8日目)

学習セッションの後、3週間後と6週間後のポストテストにおいて、学習間隔が長いグループと短いグループでは仮定法の使用の正確さが同等であることが示されました。興味深いことに、6週間後のポストテストの成績に対する練習条件の効果は、L2習熟度によって変わることが分かりました。具体的には、それは短い間隔のグループのみで、6週間後の文法知識の定着率は、習熟度の高い学習者の方が低い学習者よりも高いという結果でした。解釈には色々な可能性がまだある段階ですが、習熟度が高い学習者の方が習得スピードだけではなく学習の保持率も高いことを示している傾向は興味深いです。習熟度によって最適な学習間隔がどのように変わるかという研究はまだ少なく、今後の研究が待たれます。

詳しくは、以下をご覧ください。Open Accessですので、どなたでもご覧いただけます。

He, J., & Suzuki, Y. (2023). Distribution of grammar learning through writing tasks: A potential role of proficiency. International Journal of Applied Linguistics, Early view. doi:https://doi.org/10.1111/ijal.12498

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