昭和女子大学大学院での講演会の資料(2025年10月18日)をこちらに公開いたします。
講演会を企画してくださった森博英先生、誠にありがとうございました。
講演概要
演題: 「タスク(TBLT)」と「練習(PPP)」は何がどう違うのか?
―ISLA研究から見た英語を「使う」ための授業デザイン
タスクに中心とした「Task-based language teaching (TBLT)」と、練習を中核に据えた「Presentation-Practice-Production (PPP)」という2つの英語指導アプローチは、一体何がどのように違うのでしょうか 。
ミステリー解決型のタスク活動や、高校でのPPPの実践例といった、実際の教室で展開される活動も紹介しながら、両アプローチが「英語を使う」場面をどう作り出しているかを解説します 。英語の授業改善を目指す先生方、ISLA研究に関心のある学生・大学院生・研究者の皆様のご参加を心よりお待ちしております 。
本講演では、第二言語習得(ISLA)研究の知見に基づき、それぞれの長所と短所を明確に比較します 。その上で、生徒が「英語を使う」力を育むための効果的な授業デザインの原則を提案します 。
講演資料はこちらからダウンロードできます。
| 本講演のねらい ・英語を使うためのPPPとTBLTという指導法の「理論」を理解する。 ・PPPとTBLTが、日本の英語教育でどう具体化されているか「実践」を理解する。 ・ISLA研究の観点から、「理論」と「実践」の繋がりを探り、英語授業の改善に活かせるようになる。 |
配布資料(コミュニケーションタスク例)
主要参考文献
- Kelly, C. & Suzuki, Y. (2025). The SNOOP detective school : Interactive tasks for English learners. ABAX.
- 鈴木祐一 (2024)『あたらしい第二言語習得論―英語指導の思い込みを変える』研究社.
- 臼倉美里・鈴木祐一 (2022). Speaking Steps: 英語を話すための3ステップ.金星堂.
- 金谷憲・堤孝 (2017). 『レッスンごとに教科書の扱いを変えるTANABU Modelとは』アルク選書.
- 松村昌紀 (2012).『タスクを活用した英語授業のデザイン』大修館書店.
- Suzuki, Y., Nozawa, T., Uchihara, T., Nakamura, S., Miyazaki, A. & Jeong, H. (2025). Timing matters for interactive task-based learning: Effects of vocabulary practice on learning multiword expressions and neural synchronization. Studies in Second Language Acquisition. Early View.
オンラインNoteマガジン
「忙しい教師のための『あたらしい第二言語習得論』のエッセンス」
鈴木祐一 (2024)『あたらしい第二言語習得論―英語指導の思い込みを変える』(研究社)の内容に基づき、SLA研究の知見を、多忙な先生方が日々の指導を見直すためのヒントに繋がる形で、分かりやすく解説しています。
<講演テーマと特に関連する記事例>
- SLA研究と英語教育について
- 【コラム記事】「明日から役に立たない」第二言語習得(SLA)研究の魅力
- 【コラム記事】「SLAは日本の英語教育に役立たない」は本当?
- 【コラム記事】SLAとISLA、どう違う?―英語の先生が知っておくべき第二言語習得研究の最前線
- 高校英語授業と文法指導について
- 「なぜ文法を知っていても話せない?(Part 1, 2)」
- 高校「英語コミュニケーション」の文法指導が変わる!【最新論文から3つのポイントを分かりやすく解説】
- その他、ペアワーク、発音指導、フィードバックに関する実践的な記事もあります。
