先日、2025年6月28日(土)と29日(日)の2日間にわたり、関西大学梅田キャンパスにて「J-SLARF@KANSAI 2025」が盛況のうちに開催されました。全国から多くの研究者や大学院生にご参加いただき、活発な議論が交わされる、実り多いイベントとなりました。
J-SLARF (Japan Second Language Acquisition Research Forum) は、第二言語習得に関心を持つ日本の研究者が集うコミュニティです。最新の研究知見を共有し、世代や所属の垣根を越えて活発に議論を交わすことを通じて、この分野の研究の発展に貢献することを目指しています。

今回のJ-SLARF KANSAI 2025では、第二言語習得研究の最先端での研究発表が行われました。
今回のイベント企画者は、SLA研究では誰もが知る、世界の新谷奈津子先生(関西大学)です。関西大学の学生ボランティアさん達にも協力していただき、本当にありがとうございました。
基調講演
基調講演では、Shaofeng Li先生 (The Hong Kong Polytechnic University) が「生成AIと第二言語ライティング」をテーマに、テクノロジーが言語教育にもたらす可能性について最先端の知見を共有してくださいました。
Li先生は、研究手法に特化した新しいジャーナル『Research Methods in Applied Linguistics』のEditorでもいらっしゃいます。

また、SLA研究の第一人者であるRod Ellis先生 (Curtin University) には、語用論的知識のテスト開発に関する初日を締めくくる基調講演、そしてL2語用論的能力の評価に関するワークショップと、2日間にわたり貴重なご講演をいただきました。参加者からは多くの質問が寄せられ、議論は大いに盛り上がりました。

多様な研究、深まる交流
若手からベテランまで、多様なバックグラウンドを持つ研究者による発表も本イベントの大きな魅力でした。AIを活用した個別学習、タスク中心の教授法、学習者の動機づけに関する介入研究のジレンマ、教室でのスピーキング能力評価など、多岐にわたるテーマで真摯な研究成果が報告され、質疑応答では時間を惜しむかのように熱心な意見交換が行われました。






J-SLARFでは、参加者全員が安心して建設的な議論に参加できる場であることを何よりも大切にしています。誰かのアイデアを尊重し、共に思考を深めていくことを重視しており、一方的な批判や優位に立とうとするような言動は避ける、という共通認識のもとで運営されています。
コーヒーブレイクやレセプションの時間も、参加者同士の貴重な交流の場となりました。所属や世代を超えてネットワークを深め、新たな共同研究のアイデアが生まれるきっかけも作っています。これこそがJ-SLARFが目指すコミュニティの姿だなと感じました。






次のJ-SLARFへ
ご登壇いただいた先生方、そしてご参加いただいたすべての皆様に、心より感謝申し上げます。今回でJ-SLARFは7回目の開催となりました。
J-SLARFは、今後も応用言語学、第二言語習得、英語教育に関する知見を共有し、研究を深めていくためのコミュニティとして、研究者の皆様と共に歩んでまいります。
過去のイベント内容については、以下のリンク先にまとめてあります。

今後のイベントにも、ぜひご期待ください。皆様のまたのご参加を心よりお待ちしております。